学校いじめ防止基本方針

愛南町立家串小学校

(令和5年6月2日改定) 

はじめに

  愛南町は、主役は住民の精神のもとに、美しい郷土の自然を守り、「ともに彩(いろどり)を育むまち」を目指して教育行政を推進している。「まちづくりは人づくり」を基本理念とし、「愛南町教育振興に関する大綱」(令和5年度~令和8年度)を定め、未来を担うかけがえのない存在である愛南町の児童生徒が、次のような人材に育つことを目指している。

  ○ 「ありたい自分」を目指して、よりよく生きようとすることができる人材

  ○ 確かな学力を身に付け、不測の事態に動じることなく自らの発想力と行動力で課題を乗り越えることができる人材

  ○ 生涯にわたって自発的に学びつづけることができる人材

  ○ 人のため社会のために貢献することができる人材

  ○ 愛南町の伝統文化を保護・活用していくことができる人材

  ○ 身近にスポーツに親しんだり、望ましい食習慣を心がけたりして、健康な体を保持・増進することができる人材

  ○ 複雑化・多様化する人権問題の解決に主体的に取り組むことができる人材

  ○ 人権問題について、一人ひとりが主体的に考え、互いの人権を尊重して行動する社会を実現することができる人材

  いじめ問題への対策としては、「いじめはどの子どもにも起こりうる、どの子どもも被害者にも加害者にもなりうるという事実を踏まえ、児童の尊厳が守られ、児童をいじめに向かわせないための未然防止に、全ての教職員が取り組むことから始めていく。

未然防止の基本となるのは、児童が、周囲の友人や教職員と信頼できる関係の中、安心・安全に学校生活を送ることができ、規律正しい態度で授業や行事に主体的に参加・活躍できるような授業づくりや集団づくり、学校づくりを行っていくことである。また、いじめに強い集団づくりを行うため、GIGAスクール構想で整備した端末を活用して、「いじめSTOPAIオンラインサミット」を開催し、児童生徒の児童生徒の代表者が主体的にいじめ防止に関する取組について、話し合っている。これにより、児童に集団の一員としての自覚や自信が育まれ、いたずらにストレスにとらわれることなく、互いを認め合える人間関係・学校風土を児童自らが作り出していくものと期待される。

そうした未然防止の取組が着実に成果を上げているかどうかについては、日常的に児童の行動の様子を把握したり、定期的なアンケート調査や児童生徒の欠席日数などで検証したりして、どのような改善を行うのか、どのような新たな取組を行うかを定期的に検討し、体系的・計画的にPDCAサイクルに基づく取組を継続することが大切となる。

 

1 いじめ防止等のための対策の基本的な方向に関する事項

(1)  いじめ防止等の対策に関する基本理念

    平成25628日付け「25文科初第430号 いじめ防止対策推進法」

 

いじめは、いじめを受けた児童生徒の教育を受ける権利を著しく侵害し、その心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与えるのみならず、その生命又は身体に重大な危険を生じさせるおそれがある。(法第1条より)

 

の下、児童の尊厳を保持するため、いじめ防止等(いじめの防止、早期発見及び対処)のための対策を本校においても総合的かつ効果的に推進する。

 

(2)  いじめの禁止

児童等は、いじめを行ってはならない。(法第4条より)

より根本的ないじめの問題克服のためには、全ての児童を対象としたいじめの未然防止が重要である。また、いじめを生まない土壌をつくるために、学校現場を取り巻く関係者が一体となった継続的な取組が必要である。

このため、学校の教育活動全体を通じ、全ての児童に「いじめは決して許されない」ことの理解を促し、児童の豊かな情操や道徳心、自分の存在と他人の存在を等しく認め、互いの人格を尊重し合える態度など、心の通う人間関係を構築する能力の素地を養うことを大切にしたい。

また、いじめの背景にあるストレス等の要因に着目し、その改善を図り、ストレスに適切に対処できる力を育む必要がある。加えて、全ての児童が安心でき、自己有用感や充実感を感じられる学校生活づくりも未然防止のために重要となる。

これらに加え、いじめの問題への取組の重要性について地域住民全体に認識を広め、地域、家庭と一体となって取組を推進するための普及啓発が必要である。

   愛南町のいじめ防止コンセプト=よりよい集団づくり(地域づくり)がいじめを未然に防止する。

 

(3)  いじめの定義

「いじめ」とは、児童生徒等に対して、当該児童生徒等が在籍する学校に在籍している当該児童生徒等と一定の人間関係にある他の児童生徒等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネット・SNSを通じて行われるものを含む)であって、当該行為の対象となった児童生徒等が心身の苦痛を感じているものをいう。(法第2条より)

     一見、けんかやふざけ合いのようであっても、背景にある事情の調査を行い、児童生徒の感じる被害性に着目し、いじめに該当するか否かを判断する。また、軽い言葉で相手を傷つけたが、すぐに加害者が謝罪し良好な関係を再び築くことができた場合であっても、学校いじめ対策組織へ提供し、積極的認知と児童の心に寄り添った対応を行うようにする。個々の行為が「いじめ」に当たるか否かは、「家串小学校いじめ防止対策委員会」で検討する。

(4)  いじめの理解

 学校は、当該学校におけるいじめを防止するため、当該学校に在籍する児童の保護者、地域住民その他の関係者との連携を図りつつ、いじめの防止に資する活動であって当該学校に在籍する児童が自主的に行うものに対する支援、当該学校に在籍する児童及びその保護者並びに当該学校の教職員に対するいじめを防止することの重要性に関する理解を深めるための啓発その他必要な措置を講ずるものとする。(法第7・15条より)

 いじめはどの子どもにも起こりうる、どの子どもも被害者にも加害者にもなりうるという事実を踏まえ、児童の尊厳が守られ、児童をいじめに向かわせないための未然防止に、全ての教職員が取り組む。加えて、いじめの加害・被害という二者関係だけでなく、学級や所属集団の構造上の問題(閉鎖性)のほか、「観衆」としてはやし立てたり、おもしろがったりする存在や周辺で暗黙の了解を与えている「傍観者」の存在にも注意を払い、集団全体にいじめを許容しない雰囲気が形成されるようにする。

 

2 いじめ防止等のための対策の内容に関する事項(未然防止のための取組等)

(1)  学級づくり・学級経営の充実

    小規模校であることを長所と考え、一人一人を大切にする学級づくりを行う。人間関係のトラブルはいかなる集団においても起こりうる。集団を構成する一人一人がいじめに対する正しい認識、問題を解決するための技能、解決に向けた明るい展望を持っていることでいじめを未然に防止することができると考える。

 

(2)  人権・同和教育の充実

  児童が発達段階に応じ、人権の意義・内容等について理解するとともに、「自分の大切さとともに他の人の大切さを認めることができる」ことが様々な場面等で具体的な態度や行動に表れることを目指す。

 

(3)  道徳教育の充実

 児童の豊かな情操と道徳心を培い、心の通う人間関係を構築する能力の素地を養うことがいじめの防止に資することを踏まえ、全ての教育活動を通じた道徳教育及び体験活動等の充実を促す。

 

(4)  体験活動の充実

    体験活動は、自然や地域社会の人々との関わりの中で展開される。言いかえれば、体験活動は、この「関わり」、「関係」がどうあったらよいかを体験を通して学ぶという点で、社会性や共に生きる力を育む上で重要な役割を有している。少子化や核家族化といった変化の中で、自然や社会、人々との関わり、触れ合いが希薄になりがちなだけに、それらの意義を踏まえ、体験活動を重視していく必要がある。体験活動の中には、人間と自然との関係、共存や循環の過程を学ぶ機会がある。体験活動を通じ、子どもたちは、地域社会等の実際の生活に役割を持って参加し、社会規範や社会貢献の在り方、自他の権利の尊重、人としての暮らし方やふるまい方等を学んでいく。特に、異年齢の子どもたちとの交流、学校間交流、地域の人々との世代を越えた交流、国際交流など広く様々な人々と触れ合う中で、人と人との関係や在り方を学ばせるようにする。

 

(5)  児童の主体的な活動(児童会活動)

 一人一人の児童生徒が存在感、充実感を持って学校生活を送ることができるよう、学級や学校生活全体の活性化を図り、集団の持つ活力によりいじめを追放することが大切であると考える。話合い活動や児童会活動など児童の自主的、自立的な活動を促進するとともに、学校教育活動の中に奉仕活動や勤労生産活動を積極的に取り入れたり、しおごキャンプなどの家庭や地域を巻き込んだ集団活動の推進、あるいは、異学年交流等の場を拡充したりするなどにより、児童に幅広い生活体験を積ませ、社会性のかん養や豊かな情操を培うことが必要となる。

 

(6)  分かる授業づくり(授業改善・指導方法の工夫改善)

 いじめ加害の背景には、勉強や人間関係等のストレスが関わっていることを踏まえ、授業についていけない焦りや劣等感などが過度なストレスとならないよう、一人一人を大切にした分かりやすい授業づくりを進めていくこと、校内の人間関係を把握して一人一人が活躍できる集団づくりを進めていくことが求められる。また、ストレスを感じた場合でも、それを他人にぶつけるのではなく、運動・スポーツや読書などで発散したり、誰かに相談したりするなど、ストレスに適切に対処できる力を育むことも大切である。なお、教職員の不適切な認識や言動が、児童を傷つけたり、他の児童によるいじめを助長したりすることのないよう、指導の在り方には細心の注意を払う。教職員による「いじめられる側にも問題がある」という認識や発言は、いじめている児童や、周りで見ていたりはやし立てたりしている児童を容認するものにほかならず、いじめられている児童を孤立させ、いじめを深刻化する。また、障がい(発達障がいを含む)について、適切に理解した上で、児童に対する指導に当たる必要がある。

 

(7)  特別活動の充実(コミュニケーション能力の育成)

    友人関係のストレッサーは、勉強に関するストレッサーとともに大きな要因であるので、友人関係、集団づくり、社会性の育成などに関することが重要となる。年間を通じて、あるいは6年間といった期間中に、社会体験や交流体験の機会を計画的に(2〜3か月に1回、学期の節目ごとに1回、など)配置し、児童が自ら気付く・学ぶ機会を提供していくことが大切である。児童自身が、いじめの問題を自分たちの問題として受け止めること、そして、自分たちでできることを主体的に考えて行動できるような働きかけが大切である。そのために、全ての児童がいじめの問題への取組についての意義を理解し、主体的に参加できる活動になっているかどうかを、教職員はチェックするとともに、陰で支える役割に徹する。

 

 

(8)  相談体制の整備(教育相談の充実・相談員等の活用)

     ①児童のささいな変化に気付くこと、②気付いた情報を確実に共有すること、③(情報に基づき)速やかに対応することが大切である。児童の変化に気付かずにいじめを見過ごしたり、せっかく気付きながら見逃したり、相談を受けながら対応を先延ばしにしたりすることは、絶対に避けなければならない。気になる変化が見られた、遊びやふざけなどのようにも見えるものの気になる行為があった等の場合、例えば5W1H(いつ、どこで、誰が、誰と、何を、どのように)を付箋紙等に簡単にメモし、職員がいつでも共有できるようにしておく。そうして得られた目撃情報等を集約し、必要に応じて関係者を招集し、その後の対応を考える体制をつくる。重大事案に至ったいじめの多くは、誰一人何も気付かなかったというよりも、そうしたささいな情報を放置したり、問題ではないと判断したりした結果、深刻化している。「早期認知」「早期対応」を心掛けるべきである。また、愛南町子ども支援センターなどの外部機関とも連携し、多面的に児童に関わっていく必要がある。

 

(9)  インターネット等を通じて行われるいじめに対する対策

 児童が、SNS等でいじめに巻き込まれないよう、端末使用、インターネット、SNSに係るいじめの防止について、正しく理解させる。

 

(10) 発達障がい等への共通理解

    障がい(発達障害を含む)や性同一性障がいを持つ児童生徒についての理解を深めることも、認識や言動を改めるうえで必要である。今年度は、特別支援学級が新設されたので、これまで以上に発達障がい等地域に在住する児童や住民に対して偏見や差別の目が向けられないよう人権教育の充実に努める。

  

(11) 校内研修の充実

   児童のそばにいる教員は、いじめの芽に対して敏感でなければならない。そこで、校内研修の際に、児童一人一人を見つめる会を実施し、児童の小さな変化を見逃さないよう全校体制で臨む。また、効果的な教育相談や未然防止のための取組について研修を重ねる必要がある。また、実施した取組が効果を上げているのかを振り返り、改善をしていくことも重要である。

 

(12) 保護者への啓発(相談窓口=子ども支援センター等の周知徹底など)

     いじめの発見は、「本人の訴え」や「学級担任が発見」するだけでなく、「保護者の申し出」というのもきっかけとなっている。学校は、該当校の取組について保護者に周知し、協力をしてもらう必要がある。

24 時間いじめ相談ダイヤル」0570-0-78310(なやみ言おう)

「愛南町子ども支援センター」73-7171

「いじめ・不登校等相談専用ダイヤル」73-1820

    

 

 (13) 学校相互間の連携協力体制の整備

       内海地域の柏小学校、内海中学校との連携協力を図る。異学年での交流は、中学校区の9年間を見据え、小・中や小・小の連携の下で共通の行事を計画していくことなども考えられる。他の児童や大人との関わり合いを通して、児童自らが人と関わることの喜びや大切さに気付いていくこと、互いに関わり合いながら絆づくりを進め、他人の役に立っている、他人から認められているといった自己有用感を獲得していくことなどができるよう、どのような児童の組み合わせで場や機会を設定していくのがよいのか、活動に関わる大人はどのような場面でどのように働き掛けを行うのがよいのかなどを模索しながら進める。

    

 (14) 地域、関係諸機関との連携

       学校運営協議会をはじめ、校区の自治会長、公民館長、民生児童委員、見守り隊等と連携して、児童の健全育成に努める。登校指導やしおご座談会等の機会を捉えて、情報交換を行っていく。

 

3 いじめの早期発見(いじめを見逃さない・見過ごさないための手立て等)

(1)いじめの態様

    「暴力を伴ういじめ」ばかりがいじめではない。「暴力を伴わないいじめ」に関しては、ほとんどの児童が被害者としてばかりでなく、加害者としても巻き込まれ、同じ年度の中でさえ児童が入れ替わりながら次々に経験することもあることが分かっている。また、「目に付きにくい」ことの多い「暴力を伴わないいじめ」の場合、発見してから対応する、発見を手掛かりに取り組むという姿勢では、手遅れになることが少なくない。けんかについても同様で、その中にいじめの要素がないか注意深く観察する必要がある。つまり、あえて被害者・加害者を発見するまでもなく、全ての児童がいじめに巻き込まれる可能性があるものと考えるべきである。

 

(2)指導体制の確立

      いじめの未然防止から発覚後の指導まで、組織として対応する必要がある。校長の指導の下、発見者や情報を確認した者が、できるだけ正確な情報を集め、協議する。そのため、教職員一人一人が自覚を持って児童の様子を観察し、情報交換を継続していく。

 

(3)早期発見のための研修                                            

ア 児童の声に耳を傾ける。

  日記、教育相談、つぶやきなどこれまで通り素早く情報を集める努

力をする。

 

イ 児童の行動を注視する。

    ○ 観察やチェックリストから得た情報の共有化を迅速に行う。

 

 

(4)アンケート調査の工夫

  毎学期ごとに全児童を対象に「なかよしアンケート」を実施する。児童

の回答で気になるものがあれば、すぐに事情を確認し、関係者で役割分担

を行い、迅速に対応する。

 

(5)相談活動の充実

       年間10回の「教育相談」を実施する。生徒指導主事が全児童を8つのグループに分け、全教員が対応して実施する。毎回対応する教員が交代し、

   常に新鮮な気持ちで相談できるようにする。

 

(6)保護者との連携、情報の共有

 保護者からの聞き取りや学校評価での回答を分析し、情報に対して迅速に対応する。

 

(7)地域及び関係機関との連携

 見守り隊の方々や公民館(家串子ども塾)をはじめ、地域の関係諸機関からの情報を集め、情報に対して迅速に対応する。

(8)インターネット等を通じて行われるいじめへの対応

    児童及びその保護者が、インターネットを通じて行われるいじめを防止し、及び効果的に対処することができるよう、これらの者に対し、必要な啓発活動を行う。発信された情報の高度の流通性、発信者の匿名性その他のインターネットを通じて送信される情報の特性を踏まえて対応する。

 インターネットを通じていじめが行われた場合において、いじめを受けた児童又はその保護者は、いじめに係る情報の削除を求め、又は発信者情報(特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(平成十三年法律第百三十七号)第四条第一項に規定する発信者情報をいう。)の開示を請求しようとするときは、必要に応じ、法務局又は地方法務局の協力を求める。

 

4 いじめに対する措置(早期対応、認知したいじめに対する対処等)

(1)事実確認・情報共有

     いじめの対策のための「組織」が、いじめとして対応すべき事案か否かを判断する。判断材料が不足している場合には、関係者の協力の下、事実関係の把握を行う。いじめであると判断されたら、被害児童のケア、加害児童の指導など、問題の解消までこの「組織」が責任を持つことになる。

        問題の解消とは、単に謝罪や責任を形式的に問うことで達成されるものではない。児童の人格の成長に主眼を起き、問題の再発を防ぐ教育活動を行うことが問題の解消になるという考え方で動き、その後の経過も見守り続ける。

 

(2)組織「家串小学校いじめ防止対策委員会」での対応(指導体制、方針の決定)

 

(3)被害児童・保護者に対する説明、支援

(4)加害児童への指導及び保護者への支援

 

(5)教育委員会への報告・連絡・相談

 

(6)安全措置(緊急避難等が必要な場合)

 

(7)懲戒

 

(8)出席停止

 

(9)犯罪行為として取り扱われるべきと認められるとき

 

(10) 生命、身体又は財産に重大な被害が生じる恐れがあるとき

 

5 いじめ防止等の対策のための組織の設置

    本校では、いじめ防止対策推進法第14条第3項に基づき、(条例)地域におけるいじめ防止等のための方策を実効的に行うことができるよう附属機関「家串小学校いじめ防止対策推進委員会」を設置する。

(1)  名 称  家串小学校いじめ防止対策推進委員会

      (家串小学校児童をまもり育てる協議会)

 

(2)  構成員  校長

      教頭

      教務主任

      生徒指導主事

      養護教諭

      PTA会長

      PTA副会長

      学校運営協議会委員

     見守り隊代表者

 

(3)  活動内容

  未然防止に向けた取組

 

イ 早期発見・早期対応への取組

 

ウ 指導体制の確立

 

エ 対応の方針決定

    通常考えられるいじめ対応は、この「組織」が行う。ただし、加害児童生徒に対して必要な教育上の指導を行っているにもかかわらず、十分な効果を上げることが困難と考えられる場合や、いじめが犯罪行為として取り扱われるべきものと認められる場合には、学校の設置者とも連絡を取り、所轄警察署と相談して対処する。また、児童生徒の生命、身体又は財産に重大な被害が生じるおそれがあるときは、直ちに所轄警察署に通報し、適切に援助を求める。

     なお、いじめが「重大な事態」と判断された場合には、学校の設置者からの指示に従って必要な対応を行う。

 

オ 年間取組計画の策定と見直し

 

カ 取組評価アンケートの実施・考察

 

6 重大事態への対処

(1)  重大事態とは

○ いじめにより当該学校に在籍する児童等の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき。

  ○ いじめにより当該学校に在籍する児童等が相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるとき。

 

(2)  調査組織「家串小学校いじめ防止対策推進委員会」を開く。

  構成員  校長

        教頭

        教務主任

        生徒指導主事

        養護教諭

        PTA会長

        PTA副会長

        学校運営協議会委員

        見守り隊代表者

 

イ 対応

(ア)「生命、心身又は財産に重大な被害」の場合

・ 児童が自殺を企図した場合

  ・ 身体に重大な障害を負った場合

  ・ 金品等に重大な被害を被った場合

  ・ 精神性の疾患を発症した場合

 

(イ)「相当の期間学校を欠席する」の場合

・ 「相当の期間」とは年間30日を目安にする。

  ・ 上記に関わらず、連続欠席の場合は迅速に調査する。

  ・ 児童・保護者から申し出があった場合は、報告・調査等に当たる。

 

ウ 報告

     学校は、学校設置者(愛南町教育委員会)に報告する。

エ 調査

  調査の趣旨目的は「民事・刑事上の責任追及やその他の訴訟への対応を直接の目的とするものではないことはいうまでもなく、学校とその設置者が事実に向き合い、当該事態への対処や同種の事態の発生防止を図るもの」である。調査の目標は、あくまでも「事実関係を明確にする」ことにある。(因果関係の特定を急ぐべきではなく、客観的事実を速やかに調査すべき)調査を行う組織は、専門的知識や経験を有し、当該いじめ事案の関係者と直接の人間関係又は特別の利害関係を有するものではない者(第三者)の参加を図ることによって調査の公平性・中立性を確保するよう努めることが求められる。

 

オ 調査結果の提供・報告

   ・ いじめを受けた児童及びその保護者に対する情報を適切に提供する責任

   ・ 学校は、調査結果を愛南町教育委員会に報告する。

 

カ 事後措置、再発防止

    いじめを受けた児童及びその保護者に対する支援、いじめを行った児童及びその保護者に対する適切な助言を行うため、関係諸機関と連携協力体制を整備する。